さくら祭りで有名な青森県を代表する弘前城。
お城と聞いてイメージするのが、姫路城や名古屋城みたいな大型で豪華な天守。
しかし弘前城の天守は、それらの有名なお城に比べて意外と小さいんです。


比べてみても一目瞭然・・・
口コミを見ても、弘前城の小ささに驚く観光客も多いようです。
・弘前城ってこんなに小さかったのか
・おもちゃみたいで可愛い
・城っていうより櫓みたい
なぜ弘前城の天守は小さいのか?
その理由を調べてみました。
なぜ弘前城の天守は小さいのか?

近くで見ると小さく見える弘前城の三層天守。
弘前城天守の高さ
約14.4メートル
姫路城天守の高さ
約31.5メートル
松本城天守の高さ
約25メートル
名古屋城天守の高さ
約36.1メートル
他の城と高さを比べて見ても分かる通り、弘前城は小さいんです。
でも実は最初から小さかったわけではなく、築城当初は5層の天守だったそうなんです。

時を遡ること江戸時代初期。
津軽藩初代藩主:津軽為信が高岡(現:弘前)に築城の計画をし、2代目藩主:津軽信枚が5層天守を有する高岡城(弘前城)を1611年に築城しました。

小大名なのに立派な城を築城できたのは、津軽信枚の正室が徳川家康の養女:満天姫だったからと言われています!
しかし、1627年に落雷によって5層天守が燃えてなくなってしまったのです。
本来なら再建すればいい話ですが、そこに立ちはだかったのが城の修復や築城を制限していた武家諸法度。

これにより城の再建ができなかったわけですね。。
天守の代わりに櫓を使って約200年が経った1810年。
9代目藩主:津軽寧親が、蝦夷地警備の功績を上げたことを機に「天守櫓移築」という名目で幕府の許可を取り、隅櫓を改築する形で完成したのが今の弘前城天守。※御三階櫓ともいうそうです
遠くまで見渡せる櫓の改築ということで許可を取っており、禁じられていた天守の新築ではないという、抜け道的な申請だったとされています。
つまり弘前城が小さいのは、
・元々5層天守だったが落雷で焼失した
・幕府に天守の新築だと思われないように櫓を改築した天守にした
ということでしょう。
なので今の弘前城は、1811年に新しく建てられた2代目ということになります。

調べて書いたつもりですが、違ってたらごめんなさい・・・
ちなみに・・・
築城時の名称は【高岡城(鷹岡城)】だったのですが、落雷での焼失が祟りであると考えられ、津軽信枚の師匠である南光坊天海に改名を依頼。
除災戦勝等を祈る作法【九字の法】の【前】を取り入れて、『弘前』と改名したとされています。

これに関しては諸説ありです!
小さいからこそ引っ張れる
弘前城は他の城に比べて小さいですが、小さいなりにメリットもあります。
それが本丸の石垣修理。

2024年現在、弘前城天守があるのは元々の場所ではありません。
実は2015年に石垣修理のため、元の場所から70メートルほど移動しています。


城を移動する際に行われたのが、天守を解体せずにそのままの状態で動かす『曳屋』という作業。

70メートル動かすのに約2か月かかったそうです・・・
その際に人力で城を動かすというイベントも行われ、かなり好評だったようですが、これは小さい弘前城だからこそできた企画だったわけです。
弘前城は東北で唯一の現存天守!
日本各地にお城はありますが、そのほとんどが復元されたもの。
しかし弘前城は江戸時代から現在まで残されている『現存12天守』の一つ。
日本の現存12天守
弘前城 【青森県】
松本城 【長野県】
丸岡城 【福井県】
犬山城 【愛知県】
彦根城 【滋賀県】
姫路城 【兵庫県】
松江城 【島根県】
備中松山城【岡山県】
丸亀城 【香川県】
松山城 【愛媛県】
宇和島城 【愛媛県】
高知城 【高知県】
意外にも東北で唯一の現存天守となっています。
戦争の空襲を免れたことや災害の影響が少なかったことが、今まで残っていた理由と考えられます。
弘前城の天守は入れます

そんな貴重な現存天守である弘前城には、一般の人でも中に入ることが可能です。
天守の中には様々な資料やお土産屋などが入っており、キツイ階段を登れば、当時殿様がいたであろう3階からの景色も楽しむことができます。


ただし、天守のある本丸に入るためには有料となっています。
弘前城のアクセスと料金
弘前城へのアクセスとしては、弘前駅から三の丸追手門まで徒歩約30分ほど。
なのでバスやタクシーの利用がオススメです。
また弘前城には駐車場がないので、周辺の駐車場を利用する必要があります。
弘前城
入園料(本丸・北の郭)
大人:320円
小中:100円
※11/24~3/31までは無料
営業時間
9:00~17:00
アクセス
車 :東北自動車道「大鰐弘前IC」より30分
徒歩:弘前駅より30分
3施設共通券

『弘前城本丸』『弘前城植物園』『藤田記念庭園』の3つの施設をお得に楽しむなら、『3施設共通券』がオススメ!
大人:520円
子供:160円
価格は大人520円となっており、各施設通常320円なので2施設訪れるだけで元が取れてしまいます。
通常価格
弘前城本丸 :大人320円
弘前城植物園:大人320円
藤田記念庭園:大人320円
『3施設共通券』なら大人520円で済む!!
当日のみという注意事項はありますが、かなりお得なので利用してみてはいかがでしょうか?
弘前城は小さいけど世界的に有名なお城です

弘前城が小さい理由をまとめましょう。
・元々は5層天守だったが落雷で焼失したから
・1810年に櫓を改築して天守としたから

最初から小さいわけではなかったんだね。

天守の新築ができない時代だったからこそ、小さい櫓風の天守になってしまったってこと!
確かに他の有名な城に比べれば見劣りするかもしれませんが、桜が有名な弘前城には世界各国から多く観光客が訪れます。

また某サイトでは『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』、日本を代表するお城として紹介されています。
小さいながらも大きな魅力がある弘前城を、日本中そして世界中の人に見て頂ければいいなと思います。
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