青森県の人口減少が止まらない理由【2045年には82万人台へ】
出生率の低下が大きな原因とされる人口減少は日本全体の問題ではありますが、出生率だけでなく若い世代などが首都圏などの大都市に流れる人口減少は、地方の大きな課題でもあります。
それはここ青森県でも同じ。
全国トップクラスの人口減少率で青森県の人口は減り続けており、2045年には現在の123万人から82万人へと減少するという想定も。
青森県の人口減少が止まらない理由を考えてみます。
青森県における人口減少の現状
青森県の人口は毎年のように減少率が1%を超え、2020年10月時点で123万8000人となりました。

アス・パム男
戦後~昭和後期にかけての人口増加によるピークだった1983年の約153万人から30万人も人口が減ったということになります。

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そして15年後の2035年には100万人程度まで減少するとされ、さらに10年後の2045年には82万人台にまで減少すると予想されています。※青森県長期人口ビジョン『将来推計人口の分析』より
「どうせ予想だろ?」と思う人もいるかもしれませんが、2020年の人口予想が約124万人だったことを考えると、予想通りのスピードもしくはそれよりも早いスピードで人口減少が進んでいます。
青森県の人口減少が止まらない理由
青森県の人口減少の理由には、『自然減』と『社会減』があります。
社会減・・・転入者数から転出者数を引いた人数
大雑把ではありますが、青森県では1年間に自然減で約1万人・社会減で約5000人の人口が減っているのです。
これを踏まえて、この記事では青森県の人口減少が止まらない理由を3つ挙げていきます。
・転出超過による人口減少
・県都:青森市の人口減少
出生数が少ないことによる人口減少
自然減については仕方ないと言えるかもしれません。
少子高齢化が進んでいる現在において、出生数よりも死亡数が多くなるのは自然な事です。
ですが青森県では『出生数の減少』が特に深刻となっています。
2020年に青森県では出生数が過去最低(6837人)を記録しています。

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青森県の出生数が少ない理由として、
・未婚率の高さ
・子育てしにくい環境
が考えられます。
青森県の賃金は全国の中でも下位グループです。
どの程度なのかは過去記事をご覧ください。
また農家も多く、出会いの場が少ない事で未婚男性も多い。
そして、
産婦人科や不妊治療の専門機関が近くにない
子育てしにくい環境
過疎化による統廃合で学校が近くにない
といったことも考えられます。
これでは結婚して子供が欲しくても、なかなか前に進めないですよね。
こういったことが青森県の出生率の低さに繋がっているのかもしれません。
転出超過による人口減少
これは別記事でも書いていますが、青森県における人口減少は18歳・22歳の転出が多く関係しており、大学への進学や高校・大学の卒業を機に就職で県外へ出てしまうのが現状です。
県内の大学等:約2300人
県外の大学等:約3000人
県内への就職:約2000人
県外への就職:約1600人
青森県内高校生・大学生の県内就職率
高校生 :57%前後
大学生等:35%前後
※青森県高校等卒業者の進路状況調査より
自分の学びたいものを学ぶためですから、県外進学については仕方ないと思っています。
しかし就職に関してはどうでしょう。
地元に魅力的な会社があれば卒業後も青森県に残る、もしくは帰ってくるはずです。
それだけ青森県には魅力的な企業がない・仕事がない・給料が少ないということ。
もしくは魅力的な企業があったとしても目立たないだけなのかもしれません。
この若い世代を中心とした『転出超過』が、青森県の人口減少に大きく影響しています。

アス・パム男

りんご
県都:青森市の人口減少
上記二つの人口減少はどの県にも言えることですが、青森県では特殊な例もあります。
それが『県都:青森市の人口減少』。
青森県の県庁所在地である青森市は、全国の都市でも上位クラスの人口減少率となっており、年間3000~5000人ほどの人口が減っています。

UOTO
青森市の人口減少に関してはこちらの記事で考えてみます。

アス・パム男

UOTO
ここで挙げた3つこそが青森県の人口減少が止まらない理由といえるでしょう。
青森県の人口減少は止まらないのか?
残念ながらどんな対策を打ったとしても、青森県における人口減少は止まらないという見方の方が強いです。
この記事で挙げた、
・転出超過による人口減少
・県都:青森市の人口減少
のどれか一つでも改善しないことには、2045年の82万人台という想定はかなり現実的でしょう。
しかもこのまま県人口の減少が止まらないと、基幹産業でもある農業や漁業、さらには観光業にも悪影響を及ぼします。
悪循環でどんどん産業が衰退し、想定よりも早いペースで人口減少が進む可能性だってあります。
確かに人口減少対策は難しい問題です。

UOTO
人口減少は止められませんが、トップクラスの人口減少率を抑えたりなどの改善はできるはずだと思います。
・分散してしまっている産業の集積
・子供が育てやすい環境づくり
・企業による自社の魅力発信
など、色んなことの積み重ねが改善へと繋がるはずです。
観光や農業も大事ですが、青森県にはこういった人口減少対策にも官民一体となって積極的に取り組んで欲しいと思います。

UOTO
ディスカッション
コメント一覧
3日程前、横浜在住の津軽衆として、コメントしましたが、とどいていますか?
初めまして。横浜在住の津軽衆です。若者が、どんな意見、アイデアを持っているのか知りたくなりました。青森の魅力は自然の豊かさとそれに育まれた文化だと自負しています。情報化、SDGsが求められる社会を鑑みれば、それらを活かす事が、きっと青森を活性化させる手段になるのでは。青森を楽しく!ですよね。
横浜の津軽衆さん、コメント返信遅くなってすみません・・・。
しっかり届いてます!
青森県は毎年1万人ずつ人口が減っており、その多くが若者・・・
自分の住んでいる青森を知らずに出ていってしまうのは本当に残念なことです。
それでも遠く離れた地で青森の未来について考えてくれれば、これからの青森のためにもなるのかなって思っています。
返信ありがとうございます。横浜の津軽衆です。働く場所があれば、流出の抑止力として働くのですか?青森の素晴らしい資源を有効に使って仕事を作るなんてどこか企画していないのでしょうか。
私が新卒だった頃は確か0.4倍くらいだった求人倍率が今は1倍を超えています。
それでも毎年減っているという事は、魅力ある仕事が少ないからだと思います。
青森の資源を生かした仕事というのも限られていますし、そもそも青森に興味がない若者も多いと感じています。
私自身、青森の資源を有効活用した仕事を企画している人に出会っていないので分かりませんが、出会って何か協力したいとも思っています。