青森県の人口減少が止まらない理由とは?
出生率の低下が大きな原因とされる人口減少というのは日本全体の問題ではありますが、出生率だけでなく若い世代などが首都圏などの大都市に流れる人口減少は、地方の大きな課題でもあります。
それは私の故郷である青森県でも同じです。
全国トップクラスの減少率で青森県の人口は減り続けており、かなり深刻な問題となっています。
なぜ青森県の人口減少が止まらないのしょう?
青森県における人口減少の現状
青森県の人口は毎年のように減少率が1%を超え、ついに2019年3月時点で125万7000人となりました。

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アス・パム男
戦後~昭和後期にかけての人口増加で、ピークだった1983年の約153万人から、28万人も人口が減ったということになります。

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そして15年後の2035年には100万人程度まで減少するとされ、さらに10年後の2045年には80万人台にまで減少すると予想されています。
「どうせ予想だろ?」と思う人もいるかもしれませんが、2020年の人口予想が約124万人だったことを考えると、予想通りのスピードもしくはそれよりも早いスピードで人口減少が進んでいます。
なぜ人口減少が止まらないのか理由をみていきましょう。
青森県の人口減少が止まらない理由
まず青森県の人口減少の内訳としては、大雑把に自然減が約1万人・社会減が約5000人となっています。
社会減・・・転入者数から転出者数を引いた人数
この二つの減少が合わさり、年間1万人以上の人口が減っています。
出生数が少ないことによる人口減少
自然減については仕方ないと言えるかもしれません。
高齢化が進んでいる現在において、死亡数が多くなるのは自然な事です。
ただ出生数が減り続けるのは日本の大きな問題で、青森県も他人ごとではありません。
2018年に青森県では出生数が過去最低(7803人)を記録しています。
青森県の出生数が少ない理由として、
・未婚率の高さ
・子育てしにくい環境
が考えられます。
青森県の賃金は全国の中でも下位グループで、また農家も多いことから未婚男性も多い。
そして産婦人科が近くなかったり、学校の統廃合で近くに学校がないという現状です。
これでは結婚したくても子供が欲しくても将来を考えると、なかなか前に進めないですよね。
この『出生数が少ない』ということが人口減少の理由です。

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転出超過による人口減少
これは別記事でも書いていますが、青森県における人口減少は18歳・22歳の転出が多く関係しており、大学への進学や高校・大学の卒業を機に就職で県外に出てしまうのが原因です。
県内の大学等:約2300人
県外の大学等:約3000人
県内への就職:約2000人
県外への就職:約1600人
青森県内高校生・大学生の県内就職率
高校生 :57%前後
大学生等:35%前後
※青森県高校等卒業者の進路状況調査より
自分の学びたいものを学ぶためですから、県外進学については仕方ないと思っています。
しかし就職に関してはどうでしょう。
地元に魅力的な会社があれば卒業後も青森県に残る、もしくは帰ってくるはずです。
それだけ青森県には魅力的な企業がない・仕事がない・給料が少ないということ。
もしくは魅力的な企業があったとしても少数なので目立たないのかもしれません。
この若い世代を中心とした『転出超過』が、青森県の人口減少に大きく影響しています。

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県都:青森市の人口減少
上記の二つの減少はどの県でも同じことですが、青森県では特殊な例もあります。
それが『県都:青森市の人口減少』。
他都市の例を見ても、県人口が減っても県庁所在地は人口減少が緩やか、もしくは増加というパターンが多いです。
しかし青森県の県庁所在地である青森市は、全国の都市でも上位クラスの人口減少率となっており、年間3000~5000人ほどの人口が減っています。
その理由が転出超過の多さ。
本来、主要都市というのは、自然減があっても転入超過(社会増)でカバーできるもの。
ですが青森市は転出超過が多く、カバーするどころか減少に拍車をかけている状態です。
これは青森市の雇用が少なく、産業基盤の弱さが露呈している形になります。

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ここで挙げた3つこそが青森県の人口減少が止まらない理由といえるでしょう。
青森県の人口減少対策について
青森県では人口減少対策として県外に進学・就職した人へのUターン支援、県外出身者を呼び込むIターン支援を積極的に行っています。
また【人幸増加大作戦】と呼ばれるプロジェクトも進めています。
青森県の最重要課題である人口減少克服に向けて、人口が減少していく中にあっても県民が力を合わせ、 一人ひとりが「幸せ」を感じることができる青森県をつくっていくことであり、 取り組みを進めるにあたっての合言葉が「人幸増加大作戦!」。
このように面白い人口減少対策を打ち出しているものの、成果が上がっていないのが実情です。
それはやはり【仕事が少ない】【給料が少ない】という部分が影響しており、それが改善されない事には結果が付いてこないのではないかと思います。
しかもこのまま県人口の減少が止まらないと、基幹産業でもある農業や漁業、さらには観光業にも悪影響を及ぼします。
移住対策も行われていますが、他県でも積極的に行われており、国内での人口の奪い合いが起きている状況です。

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青森県の人口減少は止まらないのか?
残念ながらどんな対策を打ったとしても、青森県における人口減少は止まらないという見方の方が強いです。
その理由としては何度も言う通り、仕事面だとかお金の面、人によっては気候面というのもあるでしょう。
確かに青森県は良い所です。
それは観光宿泊数の増加が物語っているように、みんな分かっているのです。
ただ県の魅力だけでは人口減少は止められません。

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確かに人口減少対策は難しい問題です。
しかしトップクラスの人口減少率を改善することは可能だと思うのです。
進学などで県外に出てしまった若い人たちが気軽に戻ってこれるような受け入れ態勢、分散してしまっている産業の集積、子供が育てやすいような環境づくり、企業による魅力発信、色んなことの積み重ねで将来的に人口減少が改善していくはずです。
一時期は道州制なんてものもありましたが、『青森県』として存続するためにも、この人口減少問題には官民一体となって積極的に取り組んで欲しいと思います。
ディスカッション
コメント一覧
初めまして。横浜在住の津軽衆です。若者が、どんな意見、アイデアを持っているのか知りたくなりました。青森の魅力は自然の豊かさとそれに育まれた文化だと自負しています。情報化、SDGsが求められる社会を鑑みれば、それらを活かす事が、きっと青森を活性化させる手段になるのでは。青森を楽しく!ですよね。
横浜の津軽衆さん、コメント返信遅くなってすみません・・・。
しっかり届いてます!
青森県は毎年1万人ずつ人口が減っており、その多くが若者・・・
自分の住んでいる青森を知らずに出ていってしまうのは本当に残念なことです。
それでも遠く離れた地で青森の未来について考えてくれれば、これからの青森のためにもなるのかなって思っています。
返信ありがとうございます。横浜の津軽衆です。働く場所があれば、流出の抑止力として働くのですか?青森の素晴らしい資源を有効に使って仕事を作るなんてどこか企画していないのでしょうか。
私が新卒だった頃は確か0.4倍くらいだった求人倍率が今は1倍を超えています。
それでも毎年減っているという事は、魅力ある仕事が少ないからだと思います。
青森の資源を生かした仕事というのも限られていますし、そもそも青森に興味がない若者も多いと感じています。
私自身、青森の資源を有効活用した仕事を企画している人に出会っていないので分かりませんが、出会って何か協力したいとも思っています。
3日程前、横浜在住の津軽衆として、コメントしましたが、とどいていますか?