北東北で一番の都会はどこだ!?【青森・八戸・盛岡・秋田を比較】
さて先日ネットで遊んでいたら、
・青森・秋田・岩手ではどこが都会ですか?
といった都会度を比べたがる質問を多く見かけました。
どこの方が比べてたがっているのか、そして比べて何が知りたいのかが分かりませんが、ちょっと気になりますよね。
人口規模が似ている北東北の4都市、
青森県八戸市
岩手県盛岡市
秋田県秋田市
を比較し、北東北の中の都会を勝手に決めたいと思います。
北東北で一番の都会決定戦
ではさっそく北東北の中核市である青森・八戸・盛岡・秋田を比較していきましょう。
この記事で比較する項目は、【人口】【人口密度】【事業所数】【製造品出荷額等】【卸売・小売販売額】【交通機関】【都市景観】【ネットの意見】になります。
人口
都会を名乗る上で重要な項目の一つが人口。
人の多い=都会というイメージも強いですからね。
ということでさっそく各都市の人口を見ていきましょう。
1位:秋田市 約30万4000人
2位:盛岡市 約29万1000人
3位:青森市 約27万8000人
4位:八戸市 約22万6000人
1位は秋田市という結果になりました。
秋田市は2020年現在、北東北では唯一の30万以上の都市となっているようです。

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人口密度
人口が多くても人が密集していなければ、都会って感じがしませんよね。
そこで次に見ていくのが人口密度。
人口密度とは面積1km²当たりに居住する人口になり、人口密度が大きいほど人が密集しているという考え方もできます。
計算式は【人口(人)÷ 面積(k㎡)=人口密度】
細かい数字は切っていますので参考程度に。
1位:八戸市 740人/km² 面積305.2 km²
2位:青森市 337人/km² 面積824.6 km²
3位:秋田市 335人/km² 面積906.1 km²
4位:盛岡市 328人/km² 面積886.5 km²
1位は740人/km²とダントツで八戸市という結果になりました。
これは他の都市にみられる山間部エリアが少なく、面積が小さいことが影響しています。

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事業所数
都会は経済活動が盛ん!ということで、事業所数は外せないでしょう。
会社が多いほど街が活気づいているわけで、事業所数は街の規模を測るためには必要な項目です。

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1位:盛岡市 1万5555事業所
2位:秋田市 1万5315事業所
3位:青森市 1万3251事業所
4位:八戸市 1万1407事業所
参考:平成28年経済センサス‐活動調査(確報)
事業所数1位は盛岡市という結果に。
盛岡市は1982年に東北新幹線がいち早く開業したこともあり、北東北を統括する事業所などが多く進出しました。

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製造品出荷額等
製造業が盛んな地域ほど都市が発展していると言われているため、各都市の製造品出荷額も見ていきましょう。
製造品出荷額等とは、1年間(1~12月)における製造品出荷額、加工賃収入額、その他収入額及び製造工程からでたくず及び廃物の出荷額の合計です。
1位:八戸市 53,413,505
2位:秋田市 29,146,386
3位:盛岡市 11,962,691
4位:青森市 10,323,440
参考:経済産業省 平成30年確報 地域別統計表
製造品出荷額等は八戸市が1位という結果に。
八戸市は北東北最大の工業都市と言われており、大型港湾を利用した鉄鋼や紙・パルプなどが盛んです。

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卸売・小売販売額
やはり商業活動が活発な都市ほど、都会と言えるでしょう。
ということで次に見るのが卸売・小売業販売額。
販売額だけでは本当に商業活動が活発なのかは分かりませんし、少し古いデータですが参考までにご覧ください。
1位:盛岡市 1022050
(卸:620386、小売:401664)
2位:秋田市 1006541
(卸:664103 小売:342438)
3位:青森市 988733
(卸:688130 小売:300603)
4位:八戸市 705985
(卸:475276 小売:230709)
参考:e-Stat
卸売・小売販売額の1位は盛岡市でした。
特に多いのが小売業販売額で、やはり先ほどの事業者数が多いことや市の周辺人口が多いことも影響していると思われます。

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交通機関
都会は交通機関が整っているイメージ!ということで、各都市の交通機関を見ていきましょう。
新幹線駅別1日乗車人員、在来線の駅数、空港利用者数、フェリー旅客輸送人員、高速道路ICの数から順位付けしていきます。
1位:盛岡駅(盛岡市) 7,784人
2位:新青森駅(青森市) 4,219人
3位:八戸駅(八戸市) 3,481人
※秋田駅は不明
※参考:JR東日本
在来線駅数
1位:青森市:18駅
2位:八戸市:13駅
3位:秋田市:11駅
4位:盛岡市:10駅
空港利用者数(2018年)
1位:秋田空港(秋田市) 1,339,494人
2位:青森空港(青森市) 1,190,902人
※盛岡市・八戸市は該当なし
※参考:東急エージェンシー
フェリー旅客輸送人員(2018年)
1位:青森~函館 632,000人
2位:八戸~苫小牧 349,000人
3位:苫小牧~秋田 151,000人
※盛岡市は該当なし
※苫小牧~秋田は苫小牧~新潟・敦賀利用者も含む
高速道路IC数
1位:秋田市 5つ(中央・北・南・秋田空港・昭和男鹿半島)
2位:青森市 4つ(浪岡・青森・中央・東)
2位:八戸市 4つ(北・西スマート・八戸・南郷)
3位:盛岡市 2つ(盛岡・南)
交通機関部門は総合的に見て青森市が1位となりました。
青森市は陸海空と全ての交通機関を有し、多くの人が利用していることが分かります。

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都市景観
都会は見た目も重要って事で、都市景観についても見ていきましょう。
グーグルアースの画像を参考に見ていきますが、少し見づらいのはご勘弁ください。




パッと見ですが、どの都市も似たような都市景観ですね。
人口が似ているのでそこまで大きな変わりはないでしょう。
この都市景観に関しては、どこを基準にすればいいか不明でした。
街並み・ビルの多さ・駅前の綺麗さ・道路の整備具合などなど。
街並みを見れば海と調和する青森市、ビルの多さを考えれば盛岡市に軍配が上がりますが、地理的要因や高さ規制という問題もあるので競わせることはできないと判断。

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ネットの意見
青森市が都会っていう意見
・海と街が一体化しているという部分から都会的
・意外性という意味では青森市が都会な気がする
青森市が都会という意見の中には、『海』とか『交通機関』が多く挙げられていました。
確かに青森市は、4都市で唯一海沿いに中心市街地が形成されています。
やはり横浜や神戸・福岡などの大都会がそうであるように、都会=海というのは外せないのでしょうね。
八戸市が都会っていう意見
・工業地帯なので経済的にも都会って感じがします
・新幹線駅前は残念だが、本当の市街地は都会的でびっくりした
八戸市が都会という意見の中に、『中心街』を挙げる方も多くいました。
新幹線駅前はちょっと寂しさがありますが、数キロ離れた中心街はそれなりに発展しています。
都会にありそうな活気のある飲み屋街も多いので、そういった意味では都会的なのかもしれません。
盛岡市が都会っていう意見
・駅周辺は高層マンションなどが立ち並び都会の雰囲気がします
・高い建物が多いから見た目は都会に見えます
盛岡市が都会という意見では『見た目』が多く挙がっていました。
確かに上空写真からも分かる通り、高層建造物が多く集約されています。
ほとんどがマンションではありますが、建物が密集している感じは都会的だと思います。
秋田市が都会っていう意見
・駅の西口だけは本当に都会的
・道路も広いし、洗練された街並みなので都会だと思います
秋田市が都会という意見で多く挙げられていたのが『駅前(西口)』
駅前には西武・オーパ・トピコ&アルスといった商業ビルが集約されており、関東にもありそうな雰囲気です。
人口的にも北東北唯一の30万人都市なので、都会といっても問題ないレベルかもしれません。
結果発表:北東北で一番の都会はここだ!!
北東北で一番の都会を決める上で【人口】【人口密度】【事業所数】【製造品出荷額等】【卸売・小売販売額】【交通機関】【都市景観】【ネットの意見】を見ていったわけですが、その結果がこちら。
岩手県盛岡市
に決定いたしました。

南部鉄器君
決め手となったのは、やはり都市景観。
駅を降りて「うわ~都会だな」って思うときって、都市の雰囲気を見てそう思うはずです。
そういった意味では駅西口の開発が進んでいて、東口にはマンションなどの高層建造物が立ち並んでいる盛岡市が一歩抜けているのかなと。
他の項目に関しても極端に低いわけではないので、総合的な面からも盛岡で間違いないと思います。
最後にまとめ
当記事では『北東北で一番の都会は盛岡市』と結論付けましたが、だからといって他の都市が田舎だってわけではありません。
都会の基準も人それぞれです。
・駅前が充実しているから都会
・人口が多いから都会
・ビルが多いから都会
・車が多いから都会
人によって違うと思います。
Wikipediaで「都会」を調べると・・・
引用:Wikipedia
とあるので、ここで挙げた4つの都市は全て都会と言っても過言ではないでしょう。
今回はネタ記事として北東北の都会を決めさせていただきましたが、どの都市も魅力的だと思うので、争わずに北東北を支えていってもらえればありがたいですね。
ディスカッション
コメント一覧
まず、交通アクセス。大動脈の秋田新幹線については、伸びしろを生かすべき。
県南の大曲、横手、湯沢は高速も南進が決まっているし、いずれ復活する奥羽(山形)新幹線を待ってもらうべき。それぞれが独自の観光資源や伝統的な街並みを持っているので、いつまでも一極集中にぶら下がるべきではない。山脈のトンネル化、無駄な大曲迂回とスイッチバックを廃止、田沢湖から秋田まではストレートな高架線にすることでスピードアップと距離短縮20km、東北新幹線はやてとの320km/時走行まで含めれば、東京ー秋田間は3時間ちょっとの時短化が可能です。さらに高架にすることで駅ビルの高層化、テナントの集中が進めば秋田は田舎なんていう風評は、東北新幹線開通前の盛岡同様風化すると思います。秋田市は国際教養大はじめ高等教育機関が集中し、若い世代のAターン人口が漸増している現状に拍車がかかることは疑いない。県都の発展あってこそ地方がけん引されるので秋田市が大田舎から脱却するのは、商工会、教育機関や企業の智慧をどれだけ取り入れるか、今までの行政の思い込み開発や、四大名物にいつまでも依存しないスタイリッシュでスマートな駅と周辺開発に舵を切って欲しい。
秋田での教育、就業を終え28年たちました。時代に遅れず伸びている分野や人材育成と、住みやすさにひかれる若い世代も増えた一方、全く頑迷で時代に逆行する分野もまたあります。市の中心部からやや外れた楢山に住んでいましたが、ちょっと自転車を飛ばせば、ファーストフード、服飾(トラッドショップが多かった!)映画街も直近、マンションのベランダからは東に大平山、南に鳥海山と四季感にあふれた街でした。書籍の入手が今一つだったけど、令和に入って(実に28年ぶり)訪れたら、マンションが倍増し、建設中のタワーマンションもいくつか見ました。ホテルメトロポリタンの1泊は、となりにジュンク堂が入り、スタバも首都圏同様当たり前にあちこちにある、市場は楽しいし、なんと市場の向かいに22階のタワマンができると聞いて、上述の頑迷な田舎性を少しずつ改善していけば、秋田市は住みやすい、かくれた人気都市になるよね、と妻と話しました。前期高齢者に入る2025年ころに、また新しい街並みが迎えてくれることを祈ってます。ファーストフードに話が集中してしまうけど、首都圏にしか展開しない方針だったSUBWAYとフレッシュネスバーガーが、東北では仙台と秋田にだけ出店しているのを見て、新し物好きな若者層の移住が増えて、起業や国際教養大学を出て、世界に通じる視野を以て活躍したい、そういう人が増えていることを確信して離秋しました。時計ブランドの新生オリエントと
バーゼルワールド(去年突如中止)デビューの実力を持つMINASEにもがんばってほしい。
コメントありがとうございます。
よっさん(20世紀末まで秋田市在)さんの「秋田市に発展して欲しい」という気持ちが凄く伝わりました。
ここで挙げた4都市全てに発展してもらい、日本を引っ張れる北東北になって欲しいと願っています。
秋田市の航空写真は駅周辺が多く、東口はほとんど住宅地しかないなどと見劣り感がありますが、秋田市でほんとうの都会っぽい地区は千秋公園裏(西)の旭川沿いのマンション群だったり、旭川を隔てているため、あまり画像が紹介されない山王大通り沿いがけやき並木のきれいな官公庁、民間企業の入るビル群、マンションが程よく混ざって立っていて都会的に見えます。駅前商店街が貧弱なのは
市電の後を拡幅せず、3車線の一方通行のままにしている、駅前一等地にはっきり耐用年数的に危険な緑屋がいつまでも残っている、など華がない駅前づくりの影響が大きく、行政の怠慢です。無電柱化が進んで、西部やタワーマンションが複数建設中で、緑屋跡地にヨドバシでもよべば、駅前の利用者は大きく伸びるでしょう。そのためにも今の旭川手前まで延びて戻って来る一方通行3車線の駅前通りだけでも改善しないと、片側にしか店がない商店街が客が増えない
などという当たり前の都市計画(道路計画)を進めて欲しい。それと大曲は秋田新幹線から切り離すべきでしょう。予算がないと言ってもあの大きなう回路とスイッチバックがどれほど運行時間を無駄に長くしているか。奥羽山脈の貫通トンネル計画は決まったけど、県南の大曲、横手、湯沢は高速も南進が決まっているし、いずれ復活する奥羽(山形)新幹線を待ってもらうべき。それぞれが独自の観光資源や伝統的な街並みを持っているので、いつまでも一極集中にぶら下がるべきではない。山脈のトンネル化、無駄な大曲迂回とスイッチバックを廃止、田沢湖から秋田まではストレートな高架線にすることでスピードアップと距離短縮20km、東北新幹線はやてとの320km/時走行まで含めれば、東京ー秋田間は3時間ちょっとの時短化が可能です。さらに高架にすることで駅ビルの高層化、テナントの集中が進めば秋田は田舎なんていう風評は、東北新幹線開通前の盛岡同様風化すると思います。秋田市は国際教養大はじめ高等教育機関が集中し、若い世代のAターン人口が漸増している現状に拍車がかかることは疑いない。県都の発展あってこそ地方がけん引されるので秋田市が大田舎から脱却するのは、商工会、教育機関や企業の智慧をどれだけ取り入れるか、今までの行政の思い込み開発や、四大名物にいつまでも依存しないスタイリッシュでスマートな駅と周辺開発に舵を切って欲しい。
八戸は県庁所在地でもないのにかなり健闘してますね。もし青森市が存在せず八戸が県庁所在地だったら工業都市である分盛岡よりも発展していたかもしれません。
コメントありがとうございます!
確かに八戸の人口・産業は県庁レベルだと思います。
青森市が存在せずとは言わずとも、最初の東北新幹線が盛岡ではなく八戸まで伸びていたら、確実に北東北の拠点都市になっていた気がします。