南部せんべいは青森と岩手どっちのお土産?【歴史や発祥から考える】

2020年9月12日

青森や岩手を旅行したことがある人なら分かると思いますが、どこのお土産屋さんに行っても南部せんべいって置いていますよね。

でもそこで疑問が・・・。

青森のお土産屋さんでは「青森名物 南部せんべい」、岩手のお土産屋さんでは「岩手名物 南部せんべい」と、どちらの県も名物を謳い、お土産として売られています。

このままでは出張や旅行のお土産として購入する際、どっちが本当の名物なのか混乱すると思います。

青森の実家に帰省し会社へのお土産として南部煎餅を買ったら、岩手に出張していた同僚も南部煎餅を買ってきた。
まさかのダダ被り。

こんな事もあるかもしれませんね。

こちらのアンケートをご覧ください。

南部せんべいと聞いて思い浮かぶところ
青森 :17人
岩手 :20人
その他:4人

このアンケートは別サイトでの集計結果です。

アンケートを見る限りだと『南部せんべい=岩手という人が多いようです。

私は青森出身なので「ちょっと待った!」と言いたいところですが、確かに県外の友人も岩手のお土産という認識があるそうです。

そこで南部せんべいは青森と岩手どっちのお土産なのか?を歴史や発祥などから見ていきたいと思います。




南部せんべいの歴史

まずは南部せんべいの歴史からみていきましょう。

南部せんべいの始まりには諸説あります。

・キリストが伝えた説
・戦での常備食説
・天皇の家臣が作った説
など

その中で有力とされているのが『天皇の家臣が作った説

南北朝時代の八戸地方(現在の南部町?)に来た天皇が食事に困り、家臣(赤松氏)が農家から手に入れたそば粉とゴマを自分の兜で焼いて献上したという説です。

それを喜んだ天皇が、赤松氏の行動が忠臣である楠木正成に匹敵する忠節として、せんべいの焼き型に楠木氏の家紋「菊水」と赤松氏の家紋「三階松」の使用を許したそうです。

これが南部せんべいの始まりになります。

楠木正成の家紋「菊水」と赤松さんの家紋「三階松」

また当時の八戸地域はヤマセの影響でコメの不作に悩んでいましたが、冷害などに強い小麦や蕎麦、あわなどの雑穀の栽培に力を入れ、それらを粉に挽いて食べる食文化が発達したことも南部せんべいが受け継がれてきた理由です。

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せんべい先生

主に主食やおやつとして食べられていたみたいです。

つまり発祥は青森?

つまり歴史から考えると、南部せんべいの発祥は青森県という事になりますよね。

他の説に関しても青森県が関係しているので、発祥は青森県八戸地域で間違いないでしょう。

実際に明治時代の青森県八戸の街には100店舗以上の南部煎餅屋があったとされ、八戸ではポピュラーな食べ物であったことも分かります。

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せんべい先生

せんべい汁っていうご当地グルメもありますね。

そもそも南部せんべいの【南部とは青森県と岩手県北を統治していた南部家から来ているし、藩政時代前の南部家の拠点は三戸城(青森県三戸町)でした。

なので南部せんべいは八戸だけでなく、南部家の領内である青森県南や岩手県北で昔より広く食べられています。

じゃあなぜ、南部せんべいは岩手のお土産というイメージが強くなってしまったのでしょうか

それには大きな理由があったのです・・・。

 

南部せんべい=岩手のお土産というイメージになった理由

『南部せんべいは岩手のお土産』というイメージが強くなった2つの大きな理由があります。

まず一つは岩手県南部煎餅協同組合が「南部せんべい」を商標登録したことです。

なぜ発祥と言われている青森県八戸の煎餅屋が商標登録しなかったのかは不明ですが、地域で昔から食べられている郷土料理みたいなものだったので商標登録しなかった事も考えられます。

ただこの商標登録したことによって南部せんべい=岩手のお土産というイメージが格段と上がりました。

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アス・パム男

先手必勝ってやつだね。

そして二つ目が南部せんべい製造会社の知名度です。

今現在、南部せんべい業界で最大手と言われているのが、岩手県二戸市にある小松製菓です。※巌手屋ともいいますね。

こちらの小松製菓では南部煎餅とチョコを組み合わせる【チョコ南部】という大ヒット商品を作り出しました。

南部せんべいといえば胡麻やピーナッツがメインでしたが、小松製菓は【チョコ南部】のような独特な組み合わせの商品を次々と打ち出し、人気と地位そして知名度を確立していったのです。

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アス・パム男

チョコ南部は革新的な商品だよね・・・。
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UOTO

岩手は商売上手だね!

皮肉にも発祥である青森県八戸市のデパートに直営店があったり、青森県のお土産屋さんにも小松製菓の南部せんべいがあるという状態になっています。

この二つの要因が南部せんべい=岩手のお土産というイメージを作り上げていったのです。




結局、南部せんべいはどこのお土産なの?

せんべい汁ってのもありますよ。

南部せんべいって結局青森なの?岩手なの?って話ですが、どちらのお土産でもあります。

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UOTO

というかそう言わざる負えない・・・。

ただし歴史を見ていくと発祥は青森県っていうことです。※もしくは青森県八戸市・青森県三戸郡

上記で書いた南部せんべい業界最大手:岩手県二戸市の小松製菓のホームページにもこう書いてあります。

シキが12才の頃、青森県の小さな町の奉公先で煎餅焼きを覚えたのが、南部せんべいとのご縁のはじまりでした。

引用:小松製菓ホームページ 創業者 小松シキについて

小松シキというのは小松製菓の創業者ですが、青森県で煎餅焼きを覚えています。

南部せんべい業界最大手岩手の小松製菓も認めていることから発祥は青森県で間違いないのですが、お土産としての知名度と地位は岩手県になります。

やはり発祥・本場ブランドよりも、岩手県の南部せんべいの方がお土産としての知名度が高い事は認めざる負えないですね。

 

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どっちの南部せんべいも魅力的

歴史的な事から考えていくと南部せんべいは青森県南(八戸・三戸地域)、岩手県北(二戸地域)どちらでも広く食べられていました。

というのもどちらも同じ領地で、繋がりがあったからです。

なので両方の名物・お土産ではあるのです。

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UOTO

お土産としての知名度は岩手に負けていますが、青森県の南部せんべいもとても美味しいですよ!

個人的に好きな南部せんべいは青森県八戸市に会社を置く「いずもり」の煎餅です。※ここのせんべいが私の口に合います

 

しかし発祥の地とされる八戸市では、煎餅店が潰れてきているというニュースもありました。

同商議所の調査によると、南部せんべい業者は1966年に市内と旧南郷村を含めて86軒あったが、現在は15軒程度にまで減少。高齢化や後継者不足の問題もあり、特に小規模業者は県外や市外の大量生産を行う業者に押されている。
引用:毎日新聞

伝統だけでは生き残れず、南部せんべい業界も商品開発・営業努力で戦わないといけない時代なのかもしれません。

 

最後にまとめます。

・南部せんべいの発祥は『青森の八戸地域』
・お土産の知名度は岩手の南部せんべいの方が上
・どちらのお土産でもある

青森・岩手にはたくさんの魅力ある南部煎餅店がありますので、どこが自分の口に合うか食べ比べてしてみてはいかがでしょうか?

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せんべい先生

南部せんべいには白・豆・ごまなど色んな種類があるのでぜひご賞味あれ。

UOTO

UOTO(うおと)青森県在住の31歳。

【青森のブロガー】を目標に、大好きな青森県で頑張っています。
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