酸ヶ湯の積雪量がニュースで取り上げられることについて
毎年冬になると全国ニュースで取り上げられるのが『酸ヶ湯の積雪量』
「青森県の酸ヶ湯では全国で初めて積雪3メートルに達しました」
こういったニュースは、冬の風物詩にもなっていますよね。
・・・でもちょっと待てよと。
“酸ヶ湯”は八甲田山中にあり、あるのは酸ヶ湯温泉だけ。
全国ニュースで酸ヶ湯の積雪量を取り上げられると、まるで『青森県全体の積雪が3メートル』って思われかねません。
というか実際にそう思ってしまっている人もいるそうです。
なぜ酸ヶ湯の積雪量がニュースで取り上げられるのか?
現在も観測が行われている場所としては、観測史上1位の積雪566センチを2013年に記録しているほどの豪雪地:酸ヶ湯。

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参考:気象庁データ
八甲田山の山中にあり、日本トップクラスの積雪量を毎年のように観測しています。
2015年 375センチ
2016年 323センチ
2017年 383センチ
2018年 439センチ
2019年 439センチ
2020年 348センチ
2021年 443センチ
2022年 ???
県都である青森市の積雪量ならまだしも、なぜ山の中にある酸ヶ湯の積雪量がニュースで取り上げられるのでしょうか?
その理由の一つは、酸ヶ湯に地域気象観測システム:アメダスが設置されているからです。
アメダスって市街地や集落に比較的近い場所にあるイメージですが、なぜか標高890mの場所に酸ヶ湯観測所があります。
地図を見ても分かる通り、周辺に集落などはなく、建物的なのは酸ヶ湯温泉や八甲田ホテルがあるのみで、設置した理由も不明。

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もう一つの理由としてはインパクト。
酸ヶ湯の数メートル級の積雪は、雪の凄さ・大変さを伝える上で大きなインパクトがあります。
確かに「○○県で10センチの積雪」って言っても「なんだ、そんなもんか」とあまり気にされませんが、酸ヶ湯で3メートルって言えば「今年の雪やばいな」ってことを印象付けることができます。

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とはいえ、酸ヶ湯の積雪を全国ニュースで取り上げるのはいかがなものでしょう?
だいたいは大雪ニュースの流れで紹介されますが、酸ヶ湯の積雪を知ったところで誰にメリットがあるでしょうか?
むしろ青森県にとってはデメリットしかないような気もします。
酸ヶ湯の積雪=青森の積雪と勘違いされる
酸ヶ湯の積雪量が紹介されると困るのが、酸ヶ湯の積雪量=青森の積雪量だと勘違いされること。
こちらのニュースをご覧ください。
これは11月4日のニュースですが、右上には『青森で積雪18センチ』とあります。
しかしこの日の青森県平地では、まだ積雪はありません。
酸ヶ湯で18センチの積雪があったってことですが、これでは誤解を生みますよね。
酸ヶ湯の存在を知っている人ならいいんですが、知らない人だと、
・そんなに降ってるなら青森に行くの止めよう
なんて思ってしまうこともあるでしょう。
『青森の酸ヶ湯で3メートルの積雪』ってニュースでも同じです。
・人埋まってしまうじゃん
なんて思われてしまいます。
酸ヶ湯がある青森市は確かに世界一の豪雪都市と言われていますが、市街地での積雪は多い年でも150センチほど。
なので。酸ヶ湯のような人間の背丈以上の積雪になることはありません。

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さらに言えば、青森県内でも数センチしか雪が積もらない場所もあり、酸ヶ湯の積雪を全国ニュースにすることで青森の冬に対する悪いイメージを与えかねません。
いくらアメダスが設置されているとはいえ、集落がなく山の中にある酸ヶ湯の積雪量を取り上げることに県民としては違和感を感じるわけです。

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まとめ
最後にまとめますが、なぜ酸ヶ湯の積雪量がニュースで取り上げられるのかと言うと、
・ニュース的にインパクトがあるから
です。
酸ヶ湯の豪雪は事実だし、話のネタならいいんですよ。
でも、「付近の住民は苦労されているでしょうね」みたいな深刻な話をされたり、青森県全体の積雪だと勘違いされるのも困るわけです。
もちろん、青森の冬は過酷です。
ですが、人里では酸ヶ湯みたいに3メートル・5メートル降ることはたぶんないと思います。

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